本記事は一般情報の提供を目的としており、法的・税務的判断を含まない。具体的な対応は弁護士・司法書士等の専門家に相談してほしい。
給料日の入金通知を見て、一瞬だけ安心する。そのあと、引き落としの金額を思い出して胃が重くなる。何社から借りているか。合計いくらあるのか。正確な数字が出てこない。
「全部でいくらだっけ」。明細を見るのが怖い。見たら終わりな気がする。
自分もそうだった。約900万あった借金の内訳を、ずっと曖昧にしていた。頭の中では「たぶん500万くらい」と思い込んでいたが、書き出してみたら倍近くあった。
この記事は、借金の全体像を一覧表にして書き出すための手順とテンプレを並べたものだ。書き出すだけでいい。判断は後でいい。まず10分、明細を引っ張り出すところから始めてほしい。
なぜ書き出すのか|見えない借金が一番重い
借金が怖いのは金額が大きいからではない。全体像が見えないから怖い。
3社から借りているのか5社なのか。金利が何%なのか。毎月いくら返していて、あとどれくらい残っているのか。この情報が曖昧なまま過ごしていると、頭の中で借金が正体不明の巨大な塊として居座り続ける。
書き出すと起きることは単純だ。数字が並ぶ。それだけで正体不明の塊が処理できる情報に変わる。怖さの正体は、わからないことそのものだ。
弁護士や司法書士に相談する場合も、一覧表がなければ話が始まらない。法テラスの無料相談でも「どこからいくら借りていますか」と聞かれる。そのとき答えられないと、相談の時間だけが過ぎて何も進まない。
打つのをやめようと思ったなら、まず読んでほしい記事がある。
負けた直後の夜に”詰み”を止める(5分)
借金一覧表テンプレ|まずこの7項目を埋める
以下のテンプレをスマホのメモやノートにコピーして、1社ずつ埋めていく。最初から完璧でなくていい。分かるところだけ先に書く。
クズ管理人自分はこれを書き出すのに3日かかった。1日目は明細を探すだけで終わった。2日目にやっと1社書いた。それでも書き始めたことで何かが変わった。
| 債権者名 | 残高(だいたいでOK) | 金利(年利%) | 毎月の返済額 | 延滞の有無 | 契約日 | メモ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 例:A社カードローン | 80万円 | 15% | 2万円 | なし | 2024年3月 | リボ払い |
| 例:B消費者金融 | 50万円 | 18% | 1.5万円 | 1ヶ月滞納中 | 2023年8月 | |
| 合計 | ___万円 | ― | ___万円/月 |
7項目の意味
債権者名
借りている相手の名前。銀行、消費者金融、クレジットカード会社、知人・親族から借りているものもすべて書く。「たぶんもう1社あったはず」と思ったら、信用情報機関に開示請求して確認できる。CICはスマホから約1,000円で開示可能だ。
残高
正確な金額がわからなくてもいい。「だいたい80万くらい」で十分。後から明細やアプリで確認して修正すればいい。まず書くことが先だ。
金利
年利何%で借りているか。これがわからないまま返済している人が多い。年利18%なら100万円の借金に対して年間18万円の利息がかかっている。月1.5万円の返済なら、そのうち1.5万円が利息に消えて元金はほとんど減らない。金利を知ることが、返済戦略の第一歩になる。
毎月の返済額
全社合計でいくら払っているかを出す。これが手取り収入の3分の1を超えているなら、自力返済は相当きつい状態だ。
延滞の有無
1日でも遅れたことがあるかどうか。延滞があるなら、そこから優先的に手を打つ必要がある。
契約日
いつから借りているか。5年以上前から借りている場合は、過払い金の可能性もゼロではない。これは専門家に確認してもらえばいい。
メモ
リボ払いなのか一括返済なのか、保証人がいるか、担保があるかなど、気になることを何でも書いておく。
家計収支表テンプレ|毎月いくら残るかを見る
借金の一覧表だけでは「返せるのかどうか」がわからない。家計収支表で毎月の収支を出す。



自分は収支を出したとき、返済を引いたら毎月マイナス3万だった。つまり毎月3万円ずつ借金が増えていた。数字を見て初めて「これ、自力じゃ無理だ」と認められた。
収入
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 手取り給与 | ___円 |
| その他の収入(副業、手当等) | ___円 |
| 収入合計 | ___円 |
固定費
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 家賃(住宅ローン) | ___円 |
| 光熱費 | ___円 |
| 通信費(スマホ・ネット) | ___円 |
| 保険料 | ___円 |
| 車関連(ローン・保険・駐車場) | ___円 |
| その他の固定費 | ___円 |
| 固定費合計 | ___円 |
変動費
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 食費 | ___円 |
| 日用品 | ___円 |
| 交通費 | ___円 |
| 交際費 | ___円 |
| その他(サブスク、嗜好品等) | ___円 |
| 変動費合計 | ___円 |
返済・残り
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 毎月の借金返済 合計 | ___円 |
| 残り(収入 − 固定費 − 変動費 − 返済) | ___円 |
残りがマイナスになった人。これは自力返済では立ち行かない状態の可能性がある。自分を責める必要はない。返済が生活費を超えた時点で、構造的に回らなくなっているだけだ。
止血から再建までの全体像はこちらにまとめた。
ギャンブルで借金がある人の「止血→再建」ロードマップ(保存版)
記入のコツ5つ|完璧より「まず書く」
1. 正確じゃなくていい
残高が「80万か90万かわからない」なら「85万くらい」と書けばいい。後から修正できる。書かないよりはるかにましだ。
2. 全部一日でやらなくていい
今日は明細を引っ張り出すだけ。明日は1社だけ書く。3日かけて全部埋まればそれで十分だ。
3. 明細がなければアプリかサイトで確認する
ほとんどの消費者金融やカード会社は、アプリかWebサイトで残高と返済予定が確認できる。ログイン情報を忘れている場合は電話で再設定できる。
4. 信用情報の開示を使う
借りた先が思い出せない場合は、信用情報機関に開示請求する。3機関すべてに請求すれば、正規の貸金業者からの借入は漏れなく確認できる。



自分はCICの開示で、存在を忘れていたカードが1枚出てきた。8万円の残高が残っていた。忘れていた借金ほど怖いものはない。開示してよかった。
5. 書いたら誰かに見せなくていい
一覧表は自分のためのものだ。家族にも友人にも見せなくていい。ただし、弁護士や司法書士に相談するとき、この一覧があると話が早い。相談に行くかどうかは後で決めればいい。
書き出したら何が変わるのか
頭の中が静かになる
曖昧な借金は、頭の中で常にノイズを出している。明細を見るたびに心臓が跳ねる。通知が来るたびに気分が沈む。書き出すと、そのノイズの大半が消える。数字が確定した瞬間、わからない怖さがなくなるからだ。
返済の優先順位が見える
金利が高い順に並べれば、どこから手をつけるべきかがわかる。延滞がある先があれば、そこへの連絡が最優先だとわかる。曖昧なままだと全部が同じ重さに感じるが、一覧にすると軽重がはっきりする。
相談のハードルが下がる
法テラスに電話すると「どこからいくら借りていますか」と聞かれる。一覧があれば答えられる。答えられるだけで、相談の質が変わる。弁護士や司法書士も、数字があるほうが具体的な助言がしやすい。



正直、書き出した瞬間は「やっぱり多い」と凹んだ。でも不思議と、数字が見えたら「じゃあどうするか」に頭が切り替わった。見えない間は永遠にグルグルしてた。
返済が収入を超えていたら|次のステップへ
一覧表と収支表を見て、毎月の返済額が手取り収入の3分の1を超えている場合。あるいは残りがマイナスになっている場合。これは「もっと頑張れば返せる」という段階をすでに過ぎている可能性がある。
ここで「自分のせいだ」と考える必要はない。借りたのが悪い、使ったのが悪いと自分を責めても、借金は1円も減らない。数字を見て、返せないなら、返し方を変える選択肢がある。
任意整理は利息をカットする交渉。個人再生は元金を大幅に減らせる手続き。自己破産は返済義務そのものを免除してもらう手続きだ。どれが自分に合うかは専門家に聞くのが早い。
今日、何かひとつだけやってほしいこと
借金や返済が苦しいなら
まず一覧表を1社だけ書いてみる。1社分だけでいい。残りは明日でいい。
やめたいのにやめられないなら
依存症対策全国センターに電話一本。匿名で相談できる。
まだ軽症だと思っているなら
パチスロをやめる7つの方法を1回だけ読んでみてほしい。
負けを止める導線|ここから立て直す
まず今日の夜だけ守る
負けた直後の夜に”詰み”を止める(5分)
借金を見える化する
借金が曖昧な人へ:一覧表テンプレ(コピペOK)
整理の選択肢を知る
任意整理・個人再生・自己破産:結局どれ?
相談で詰まない
初回相談で聞かれること(台本付き)
止血から再建までの全体像
ギャンブルで借金が膨らんだ人へ。止血から返済、再建までの最短ロードマップ
相談先(一般案内)
法テラス(無料相談・費用立替)
電話:0570-078374(平日9〜21時、土曜9〜17時)
https://www.houterasu.or.jp/
消費者ホットライン
電話:188(最寄りの消費生活センターにつながる)
金融庁 多重債務者対策・相談窓口一覧
https://www.fsa.go.jp/policy/kashikin/index.html
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本記事は一般情報の提供を目的としており、法的・税務的判断を含まない。具体的な対応は弁護士・司法書士等の専門家に相談すること。掲載情報は2026年3月時点のものであり、制度の要件や相談窓口の対応時間は変更される場合がある。

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